大阪鶴見ロータリークラブでの会長インフォメーション
ロータリークラブの例会では、会長の短いスピーチが、毎回求められます。私は1991年7月から92年6月まで、大阪鶴見ロータリークラブの会長を務めましたので、その間のスピーチをまとめてみました。
私が常に心がけたこと。それは「短さをキープ」、「何か数字を入れた信頼性のある情報提供」「幹事と役割分担して情報の重複を避ける」でした。
1991年7月
7月2日
今日が初めての会長インフォメーションで、いささか緊張しております。よろしくお願い申し上げます。クラブの行事に関する事項のお知らせは、幹事の浮舟さんに今後いっさいお任せし、私は一般的な所感を申し上げるよう、役割分担をいたしたいと思います。
まず、最初にRI会長のイメージシンボルの意味をお知らせします。赤い太陽はきれいなエネルギー、青い大空は無限の大宇宙、金色の小麦は大地の恵み、そしてカモメは自分を超えた眼を持っロータリアンを意味しています。
ロータリアンの行動規範「四つのテスト」は、社会的に倫理感の薄れている今日、重要性を増しています。例えば、大口顧客に対する損失補填を行った証券会社のスキャンダルは、「みんなに公平か」のテストに落第でしょう。時間の関係でこの続きは、会長新任挨拶の時間にお話しします。
新任挨拶
小堀名会長のあとを引き継いで、いよいよ今日から新年度の会長を務めさせて頂くことになりました。いたってそそっかしい人間でございますので、ドジなことをしたり、いたらぬ点が多々あるかと思いますが、ロータリーの友情で暖かいご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
今年度の会長テーマは「親しみ、思いやり」と提案させて頂きました。これはロータリーの「四つのテスト」のうち第3番目のテスト「好意と友情を深めるか」を言い替えたものです。
親しみを基本にして、思いやりの精神を、お互いの対人関係や、数々の奉仕に生かして行きたいものと考えます。よろしくお願い申し上げます。
さて、ロータリアンの行動は「四っのテスト」に照らしてから、と諸先輩よりご指導いただいております。今年の会長インフォメーションは、これを基本にお話して行く事に致します。
「真実か、どうか」このテストは極めて重要です。最近、吉村昭さんの「白い航跡」という歴史小説を読みました。この本は慈慶会大学及び病院の創始者高木兼寛の伝記ですが、それによりますと、日露戦争で白米を主食とした陸軍は、戦死者4万7千名に対し、脚気での戦病死が2万8千名にのぼりました。
一方、高木の主張で主食を麦飯に切り替えた海軍では重症の脚気患者はいっさい発生しませんでした。
陸軍は医務局長の森林太郎つまり森欧外等、東大のドイツ医学の脚気細菌原因説を信じて、数々の実験に基づく事実を無視した結果が恐るべき結果をもたらしたものです。
私たちも、いたずらに権威に盲従するだけでなく、事実に基づき主張する勇気を持ちたいものだとつけ加えて会長就任の御挨拶といたします。
(第17回鶴見区民まつりに際して意義説明)
平成3年9月16日、鶴見緑地旧南駐車場に於いて、区民相互の暖かい心のかよいあう連帯感あふれる町づくりのため、区民のだれもが気軽に参加し、楽しめる明るい健康的な「区民手づくりのまつり」が開催され、当クラブも「国際交流のつどい」を設けて参加致しました。
ロータリークラブは元々、コミュニティに根ざした、このような地域社会との触れ合いが極めて大切であると共に、日本に留学している外国人と区民が楽しく交流出来る場を提供することによって花博後もこの地域がより国際性豊かな素晴らしいコミュニティとして発展するよう少しでもお手伝いすることが大切であると考え、2年前から参加しております。
当日、RI2660地区青少年交換委員長八木様、八尾中RC泉カウンセラーと共に交換留学生11名と受入家族、友人数名、当クラブがかって行った交換留学生とその友人3名、(財)関西国際学友会下元館長、植松先生はじめ口本語学校学生12名、市立横堤中学校傳馬先生以下10名の中学生、ガールスカウトリーダー以下11名、そして当クラブからは30名を越えるメンバーとその家族の総勢100名近い参加者が、大阪市長、鶴見区長はじめ1,000名以上の区民と楽しく交流致しました。
当クラブのテントへの入場券は自分でつくる「ひまわりブローチ」というユニークなものでした。区民が留学生やガールスカウトと共にブローチをつくり胸につけて「あやとり」「折紙」、「似顔絵かき」、「囲碁・将棋」と交流し、留学生手づくりの「パンケーキ」や「水ギョーザ」を食べながら楽しく語らう光景は正に「国際交流のつどい」でありました。
留学生にとっても「みこし」や「すもう」や「金魚すくい」、「夜店」等、日本の祭りという異文化に触れて心に残るものが多くあったことでしょう。
区民まつりに参加した後、太閤園に於いて、参加者全員で「交歓会」を開催し、留学生の歌や、ギター、日本語によるスピーチ、ガールスカウトがリーダーとなって数々のゲームを楽しみながら交流を深めました。
特に「交歓会」にはRI第2660地区ガバナー菅生浩一こ様が参加され留学生と親しく交流されたことは大変意義深いものでありました。
「国際交流のつどい」は、留学生とロータリアンそして多くの区民がお互いに国際社会の一員として相互理解を深める場づくりであり「LookBeyondYourself」の場つくりでもありました。
このような地域社会との触れ合いを着実に続けることが、当クラブにとっても又地域にとっても大切であり、大阪が世界の中の真の国際都市として発展する第1歩であると考えています。
7月9日
地域社会との係わりはロータリーのみならず、企業人として大切であります。先日、研究グループ交換(GSE)でノースカロライナーに参りましたとき、そのことを痛感いたしました。企業は地域社会に貢献して始めてコミュニティの一員として認められるのです。
アメリカでは税制上で寄付が優遇されているという事情もあるでしょうが、日経リサーチの調査で、じつに3%の企業が「企業経営上のメリットがなくても社会の一員として社会貢献をすることは企業の義務である」と、回答しています。
さらに言えば、社会貢献とはお金を出せばそれで終わりということでもありません。汗を流し、体を動かしてこそ奉仕という考え方もあります。
本日は、鶴見区の寺川区長さんが、卓話のゲストとしてお越し頂いておりまして、この点でいろんなヒントを頂戴できるのではないかと考えております。
7月16日
主要先進7力国の首脳会議、いわゆるサミットが、ソヴィエトのゴルバチョフをゲストに迎えて開かれました。
アメリカにかっての経済力がなく、日本に援助資金を頼る現状ですが、改革なしで、いまソヴィエトを経済援助するのは、ドブにお金を捨てるようなものという声がもっぱらです。
アメリカの経済力がなぜ衰えたか。東海大学教授の唐津一さんによりますと、その理由の第一はアメリカ経済の中での製造業のシェアが約24%にまで落ちていて、それはさらに減る傾向にあること(ちなみに旧西ドイツは36%、日本は33%)です。
第二の理由はアメリカの技術力が強い製品の売上規模が比較的小さいことだそうであります。
アメリカの誇る航空産業の規模は11兆円。日本のパチンコ産業の規模は12兆円。国家的な重要技術も、経済規模からみれば「チンジャラ」よりも経済を引っ張る力が弱いとは、意外ではありませんか。(四つのテスト、「真実」に関連して)
7月23日
今年のIGF(インターシティゼネラルフォーラム)で当クラブの属する第6組は「環境保全問題」をテーマに開催されるようであります。
環境保全といえば全地球的な話題、例えば地球の温暖化、酸性雨、フロンの使用と関連するオゾン層の破壊などから、水質汚染、ゴミ収集の分別やリサイクル、道路清掃など身近な話題まで範囲が広いのですが、日本経済新聞の井本編集委員は、世界環境デーの紙面で「省エネ」の推進を強く主張されています。
アメリカは世界のエネルギー消費の24%を占め(日本は5%)、一人当たりエネルギー消費は日本の2.5倍、先進国の中でも断トツです。
ちなみに、米国内のガソリン価格は日本の4分の1で浪費を誘っています。日本は、21世紀に向けて省エネ型の効率的な社会構築にさらに努力するとともに、米国に対しても積極的に省エネを呼びかけて行くことが、彼らのためにもなり、世界のためにもなるでしょう。
7月30日
7月も余すところ1日、夏本番ですが、本日はちょっと爽やかな話題をお届けします。
クーポン広告というのを御存知でしょうか。新製品の試し使いを消費者に奨励するための販売促進法で、アメリカでは大々的に使われています。
我が国でもアメリカの圧力で、新聞雑誌広告にこの手法が解禁されましたが、なじみのないせいか、期待された程には採用されていません。
ところが、日本コカコーラが、全国の日刊76紙を使い「コークフリーデー」2日間の間、全国のスーパー、コンビニ、酒販店などで、新聞広告に掲載のクーポンとコーク1缶を交換すると発表。先週金曜日の夕刊にクーポン入り広告が掲載されました。
このクーポンはボトラー各社がルートセールスの際、回収しコーラと取り替えます。クーポンの問題点は、どのように販売店に補償をするか、ですが、この方法なら容易です。さて、交換されるコーラの缶の数を予測するのも一興でしょう。
1991年8月
8月6日
この4月発行された「厚生白書」がこの手の本にしては異常に売れているそうです。その第1章「豊かさのコスト」廃棄物問題を考える、という部分が関心を集めているようです。その中に「混ぜればゴミ、分ければ資源」という名文句がありました。
アルミ缶は、ジュースやコーラ、ビールなどでお馴染みですが、ともすれば、他のゴミと混じって捨てられがちです。アルミは電力の塊で、原料のボーキサイトから精錬するには、とてつもない電力が必要です。しかしいったんアルミになってしまえば、経済的にリサイクルできます。
アメリカではアルミ缶の60%はリサイクルされていると言われていますが、電力の高い日本で40%以下とは問題です。ダイエーが日本コカ・コーラの協力を得てアルミ缶回収車を関東で走らせると報道されています。
プレスした空き缶の売却代金を、環境保護団体に寄付するとのことで、オヌシやるナという感じを受けました。
8月20日
ジム・フィンドレーさん、ボブ・リトルさん。ようこそ私たちのクラブへいらっしゃいました。この機会にオーストラリア、シドニー郊外のアッシュフィールドRCと私たちのクラブの関係を振り返ってみたいと思います。
1986年4月、大内会長エレクト夫妻ほか3夫妻が渡豪して正式に姉妹提携。ついでにハレー彗星も見ることができました。
翌年、ベン・ソネゴ一家が来阪。本当に親しいお付き合いが始まりました。フィンドレーさんの娘さんのジーン、サイモン・グルーア君が短期間の青少年交換でこられ、こちらからは長谷川三のお嬢さん、川さんのお嬢さんとその友達がお伺いしています。
公式訪問も津田さん、小堀さんと2代の会長がなさっています。その間、共同でWCSを行っています。お二方は昨年のエキスポに引き続き、2度目の来阪でが、今回、ノーフォークRCとも友好クラブ関係を結ぶことができたのは大きな歓びです。
8月27日
本日公式訪問を戴いております菅生ガバナーは高名な法律家であることは、みなさまご承知の通りであります。そこで、今日は最近注目を集めているPLつまり製造物責任についてのお話を致します。
PLとは工業製品の欠陥などにより、消費者が怪我をしたり、持ち物を損害したりしたさい、その被害を与えた企業に対し、損害賠償を容易に請求できるようにする仕組みのことを言います。首相の諮問機関である国民生活審議会がこの制度の導入の検討に入っています。
PL訴訟が頻発しているアメリカでは、メーカーや販売店は警告ラベルの表示、説明書の書き方、広告・パンフレットの表現方法にも気を配っています。設計や製造の段階で生じた欠陥より、警告表示の不備をつっく方が訴訟しやすいためです。
メーカーの自衛手段としては、警告表示を目立つ箇所に掲載することが良いのですが、売上に影響するかもしれません。世の中不自由になりますね。
1991年9月
9月3日
先週のクラブ協議会は、菅生ガバナーから、とても活気のあるクラブだと、お褒めの言葉を頂戴しました。ガバナーご自身も予定の2時間を大幅に超過して発言される、ノリの良さでした。
さて、ガバナーが卓話の中で言及されたソ連の話です。モスクワでは西瓜一個の値段が160ルーブルそれに対しある経済学者の月給は320ルーブルで西瓜2個分だと、ニュース週刊誌のアエラが報じております。
この経済学者は国外脱出を真剣に考えているそうですが、このような経済の破滅をいったい誰が救えるのでしょうか。エリツィンもよほど褌をしめてかからねばダメだと思います。貨幣経済が成立しなければカオスが続くでしょう。
阿部会員は早くからゴルバチョフの没落を予言されていました。これで、シベリアの資源に日本がアクセクする道が開けるとおっしゃっています。アジアの時代が到来するとのお考えであります。いずれ卓話で詳しくお話を伺いたいと思います。
9月10日
いよいよこの16日は「鶴見区民まつり」です。関係各位のご努力を考えるとき、雨が降らず無事に国際交流が行えることを祈願いたします。
詳細については実行委員会から報告があると思いますが、この催しには第2550地区の交換学生及び日本語学校の学生さんをお招きしています。当クラブ手づくりの国際交流として是非成功させたいものです。
最近日本経済新聞に東京大学の留学生センターの教授が実施された調査のことが掲載されていました。留学生の持つ深刻な悩みの一つは「日本人の友人ができない」ことだそうです。
長く日本に滞在している留学生の方が、短期の学生よりも日本に対して良い印象を持っていないという調査結果に教授はショックを感じておられます。私たちのささやかな奉仕により、学生達の日本人への親しみが、少しでも増すことを期待します。
9月17日
昨日は鶴見区民まつりに当クラブも「国際交流のつどい」で参加。大阪市長、鶴見区長も私たちのテントを訪問されました。また留学生たちのっくったギョーザ、パンケーキを区民のみなさんと楽しみ、ガールスカウトや地元のお中学生ほか地域社会との交流を深めました。
この催しは、区民まつりの名物になったようです。
ロータリークラブは元々、コミュニティに根ざしたものであり、私たちも大阪鶴見ロータリークラブと名乗る以上、このような地域社会との触れ合いが極めて大切であると思います。
先般GSEで参りましたノースカロライナのある町では、RCの創立記念例会が夫婦同伴で、開催されました。
会場には立派な花が飾られていましたが、私のホームステイしていた会長さんが、一緒に帰宅する途中、コミュニティ病院に立ち寄って看護婦さんにその花を渡し、患者に、と飾り付けを依頼していました。触れ合いの一例としてご紹介します。
9月24日
失敗に終わったソ連のクーデターから、はや一か月以上が経過しました。国際世論を敵にまわすことを承知でなぜ、国防相のヤゾフがあえてクーデターに踏み切ったか。
その理由を雑誌「選択」の9月号が述べています。とても興味深いのでご紹介します。
ペレストロイカによる部分的な自由経済で物価が急騰しましたが、軍事費削減のため将校の月給は据え置き、家族は生活苦にあえいでいました。
戦闘機操縦将校の月給はバス運転手の半分以下。また、ある将校の月給は共同組合事務員の給料の一週間分より少ないとのこと。
時代や国は違いますが、2.26事件で下士官や兵の月給の低さ、そして農村の困窮が、クーデターの一つの引き金になったことを思い出させます。
「選択」は書店では手に入らず、予約講読で郵送されてくる雑誌ですが、一流マスコミ記者がアルバイトで書いているらしく、ものすごい情報の密度と鮮度です。ご一読をお薦めします。
1991年10月
10月1日
先週は環境衛生週間でした。
わが国では年間5千万トンもの一般ゴミが排出され、その対策にどの自治体も頭を悩ませていますが、その中で名古屋市のアルミ缶・牛乳パックのリサイクル事業が注目されています。
市民が市内16区の環境事業所でアルミ缶5個もしくは牛乳パック30枚を持ち込むとスタンプを一個、カードに押してくれます。スタンプが20個になると百円分の図書券がもらえます。
昨年4月からこの8月末までの1年余りでアルミ缶7百59万個、牛乳パック5百24万枚が回収され、これで節約できた電力は3百万キロワットアワー、また木材は立木3千5百本に相当するそうです。
このように予想を上回る好成績を上げたのは市民の意識の高まりが主な理由とされています。大阪市がゴミの分別回収に乗り出すには、市民の協力が不可欠です。ロータリークラブも環境保全の一環で、この問題に取り組めないものでしょうか。
10月8日
経済企画庁の発表では、いざなぎ景気の記録を更新中とのことでありますが、誰の目にも、景気減速、というよりも、明らかに不景気の兆候が見えてまいりました。
日本電子機械工業会がまとめた8月の家庭用VTRの生産は前年同月比22.2%減、カラーテレビは14.2%減とのことで、生産量は3カ月連続で前年同月を下回っています。
住宅着工戸数は前年比22.8%減。分譲住宅は前年比29.4%減で5カ月連続の減少であります。
不況感は路地裏にも忍びよっておりまして、日経流通新聞によりますと「金まわりの良い時期、下心ある男はバーやキャバレーで女の子を口説いてホテルに誘う。不景気な時はそんな回りくどいことはせず、ソープランドなどに行く」のだそうです。
またシティホテルよりはラブホテル、レストランよりは立ち食いそば屋の人気が高まっておりまして、天下の秋を感じるこのごろです。
10月15日
本日は、私達の大切な友人ベン・ソネゴ氏一家を、ゲストとしてお迎えしています。彼についてのお話は卓話の時間に譲りまして、最近新聞で見掛けた素晴らしい国際交流の記事をご紹介します。
大正区の印刷会社「タカラ写真製版」の松浦社長は、大阪外大などで研究を続けているモンゴル出身の中国人言語学者に4年間に渡って毎月5万円の奨学金を支給。この学者は、贈られたワープロを使って豪日辞典の原稿を完成。しかもこの3万語、千ページの辞典は無料で印刷、出版され、来年、中国、モンゴル、日本国内の図書館などに寄贈されるのだそうです。
「中国やモンゴルで日本語を勉強する人にも、モンゴル語を学ぶ日本人にも役立つ」とこの学者は述べています。
草の根の善意が大きな歴史的成果を生み出したこの例は私たちの国際交流基金の運営方法を考えるヒントになるのではないでしょうか。
10月22日
来月1日より、オートマチック車専用の運転免許制度が始まります。
オートマの教習コースの予約をすでに受け付けている都島自動車学校では、さる15日現在25人の申し込みがあり、56才の男性一人を除いてあとは全て女性の申し込みだそうであります。
そういえば、私も15年前に運転を始めて以来、マニュアル車を運転したことは2回しかありません。1回目は何とかなりましたが、2回目は軽自動車のワゴンで、何回やってもエンストして発進できず、ついに運転をあきらめました。
オートマ車は、ブレーキを踏んだままでレバーをシフトし、ブレーキを緩めて発進する、このことがよくわからなくて事故を起こすケースが多いと聞いています。
私もガソリンスタンドで前に止まっていた車が突然バックしてきて、前部のバンパーを壊されたことがありました。サービスマンがブレーキを踏まずにレバーをシフトしたからでした。
10月29日
11月1日はロータリーの環境保全の日とされています。また当地区第6組のIGFも大阪湾の環境問題を中心に開催されます。
ただ今、当クラブでも、社会奉仕委員会の中の小委員会であります環境保全委員会で、鶴見緑地付近の清掃奉仕をご計画いただき、関係方面と折衝されましたが、地域社会や行政に、私たちのヴォランティア活動を、素直に受け入れる環境がなく、このことから考えねばならなくなりました。
一方で、街のいたるところで見かける空き缶ポイ捨てについての投書が昨日の朝日新聞に掲載されていました。私たち一人一人が空き缶を拾おうと提唱されています。
自動販売機の普及とともに蔓延した、世界でもまれな日本の「空き缶ポイ捨て」はリサイクル問題でもありますが、むしろ市民倫理の問題として捉えたい。空き缶を道端に故意に置いたり、中央分離帯に投げ込んだりしない習慣が、世間に広がるのはいつのことでしょうか。
1991年11月
11月5日
本日は、新しい会員お二人のイニシエーション・スピーチがあります。これは日本語にしますと、入会スピーチということであり、自己の職業についてのお話しも頂けるものと思います。
そこで今日のインフォメーションは久しぶりにマーケティングを話題にしてみます。
現在アメリカの小売り業界で注目されている三つの大きなトレンド(趨勢)は3E、即ちエンターテイメント(娯楽)、エンバイロンメント(環境)、エデュケーション(教育)なのだそうであります。
それぞれのトレンド・ストアの代表格は、最初のEがディズニー・ストア、マペット・ストア、リングリングサーカス・ストアなど。
次のEはロンドンが本拠のボディ・ショップ、H2Oプラス、アメリカのバス&ボディワークスなどです。
最後のEは大阪駅のギャレにもあるザ・ネイチャー・カンパニーや、いろんなミュージアム・ショップなどです。さて、日本の消費者はどうでしょうか。
11月12日
早いもので、もう今年のヒット商品の番付ベスト30が、日経トレンディ誌から発表されました。その第1位は何と、カルピスウォーターであります。
番付の中で、目立っのはコンビニエンスストア発信型の商品です。カルピスウォーターは、予め水で割ったカルピスに過ぎず、そのまま手軽に飲めることがポイントになっています。
カルピス食品工業は88年度から営業利益の赤字が続き、味の素グループ入りを90年9月にしたわけですが宣伝もしないのに高校生の間から自然発生的にヒットしました。
今年のヒット商品を読むもう一っのキーワードは規制緩和と市場開放だそうであります。
NTTのムーバ(携帯電話)が2位にランクされています。3位は松下電器の平面ブラウン管大型カラーテレビ「画王」です。
私の会社もこの商品の市場導入のお手伝いをしております。
11月19日
環境保全問題に関連して、いま電気自動車が注目を集めています。
アメリカではカリフォルニア州に続いてニューヨーク州も自動車メーカーに一定の割合でクリーンな車の販売を義務づけるようになり、これは日本車に不利になるのではないかと、取りざたされています。
電気自動車に充電するための電力そのものは化石燃料を利用して発電されますから、トータルな環境問題としては、果たして対策になるのか疑問ではあります。
小型の燃料電池をワゴン車に搭載し、水素を燃料にして車の中で発電しモーターを回して走る研究がありますが、これは有望でしょう。
さて、世界で一番速い電気自動車が東京モーターショーに出品されました。時速176kmだそうで、その秘密は、アウターローターのモーターの回転部分の周囲にタイヤをつけ、4輪を駆動する構造にあります。国立公害研究所の研究官が10年間暖めていたアイデアが採用されたものです。
11月26日
コンピュータの利用は、いろんな分野で進んでいますが、目の不自由な方のための点字翻訳のネットワークが、いよいよ文部省のキモ入りで発足しようとしています。
全国に70校ある盲学校では、これまで個別の点字訳ボランティアに頼り、教材や参考書の不足が、おおきな問題になっていました。
新しい仕組みは、ボランティアがパソコンに打ち込んだ点字データを各学校の端末機からセンターに送って蓄積、各校では逆にそれを端末機から取り出し、点字プリンターで打ち出して利用する仕組みです。
今までは点字タイプライターで一冊ずつしかできず、時間もかかっていたのが、一つのデータで何冊もの点字の本がつくれるわけです。
盲学校だけでなく、点字本の電子データと点字リーダーを使えば、場所をとらない点字図書館もできるでしょう。ライトハウスのみなさんへも、これから新しい形で奉仕ができるのではと思います。
1991年12月
12月3日
12月5日はモーツァルトの命日にあたり、彼の死後200年を記念して、コンサートが各地で開かれます。日本では主なものだけで20ヵ所にのぼるそうです。
「禁じられた遊び」の映画音楽で有名なギター奏者、ナルシソ・イエペスは、バッハを建築家、べ一トーベンを彫刻家、そしてモーツァルトを画家にたとえていますが、いい得て妙であります。
台湾の飛行機事故で亡くなられた向田邦子さんは、テレビドラマ「冬の桃」の音楽にモーツァルトの弦楽五重奏ト短調の第4楽章を指定されました。
広告の電通の社員が日航機の事故で多数亡くなられたとき、合同社員葬ではモーツァルトのレクエムの中から、ラクリモサ「涙の日」が流されていました。
仏式の葬儀にも違和感のない、人類共通の音楽財産が、モーツァルトです。
先週土曜日に第6組のIGFが北淀さんをホストに新大阪ワシントンホテルで開かれました。
3人の講師の環境問題にかんするご講演を拝聴するという会で、時間的にも講師の1人分は余分、という感じでしたが、それ以上にこれは運営上大変だと思ったのは、登録人数が予定を大きく下回っていたことです。
予算通りに支出が抑えられたとして、これでは約30万円の赤字になり、これを北淀の会員で穴埋めするとクラブ員一人あたり6000円ぐらいの追加負担になるでしょう。
予算が狂ったのは、会員数の半分以上の登録をホストクラブが各クラブに要請したのに対し、大阪クラブさんが317人の会員中、23人のみの登録であったのが主因です。
ちなみに当クラブは53人中40人を登録しています。来年6組のホストをされる大坂城クラブさんは会員数28人ですから、IGFのあり方を根本的に変えるか、従来通りの人頭割負担金に戻すとかしないと、ホストクラブが泣きをみる結果になるのではないかと思います。
12月10日
さる12月8日は、真珠湾攻撃50周年ということで、テレビ・新聞・雑誌の特集が多くあり、各人それぞれの戦争体験を思い浮かべ、新たな感慨にひたられたことと存じます。
その中で、日本のNHK、アメリカのABCが共同で発表した世論調査の結果に戦傑を憶えました。
日本を信頼できる同盟国と思うというアメリカ人は89年63%、90年42%、91年33%と、年々急激に減少しています。
日本を信頼できる同盟国と思わないというアメリカ人は、今年61%に達しました。このような不信を招いた原因は、米国の貿易赤字全体の中で7割を占める対日貿易赤字と、日本企業の著しい経済進出です。
日本経済とアメリカ経済は、相互依存度が高く、実は一体の経済なのですが、同一ルールで勝負していないという米国民の感情も無視できません。
卑怯といわれた真珠湾攻撃のイメージ払拭のためにも、市場解放で先手を取る時がきたようです。
12月17日
京都ホテルの高層化をめぐって、仏教会とホテル側が激しく対立していることはご承知の通りです。
ホテル側の当初計画に京都仏教会が抗議して、ホテル宿泊客の社寺拝観を拒否、ホテル側が計画の見直しを約束して仏教会がボイコット中止。一件落着と思いましたが、仏教会が高さを抑える代案を発表、ホテルが態度を硬化して当初計画通りのプランで着工、そのかわり社長は辞任。
ざっと、こんな経過ですが、新聞の投書欄でもホテルの高層化には賛否両論、世論はまっぶたっに分かれています。
「ホテルは約束守れ」というのは、遠く離れた三原市の主婦。ホテルの「翻意は当然」と池田市の会社員。私個人は、11月20日の新聞掲載の、コンピュータによる景観シミュレーションで見た限り、公開空き地を設定して高層化した方が、東山も北山も地上から良く見えるように思います。
面子を捨てた、理性的な討論が当事者に望まれます。
12月23日
本年もあと1週間、今日が最終例会でございます。
一年を振り返ってみますと、私たちの骨身にもっともこたえたのは、いわゆるバブルの崩壊ではないでしょうか。
バブル崩壊は、経済のいたるところで表れているわけですが、顕著なのは不動産と証券ではないかと思います。不動産のことは藤井会員にお委せして、今日は証券の話をします。
89年末には、東証第1部上場株式の時価総額は606兆円。これが、今年の年末は約360兆円にまで、減っております。
一時期にくらべ、平均で4割の減価ということになります。ちなみに今年の国民総生産は400兆円強であります。
86年から89年にかけて、株高を利用して上場企業が発行した転換社債、ワラント債は47兆円。そのかなりの部分が来年から94年にかけての3年間で償還期限を迎えます。
物つくりを軽蔑し、金に金を生ませたとがめは、大きいようです。
1992年1月
1月7日
みなさん、おめでとうございます。
新年早々からブッシュ大統領が来日しまして、空港付近の警備が大変のようであります。
彼の日本訪問最大の目的は、日本の市場解放を求めてアメリカの景気と雇用を回復することにあるとされています。この秋の大統領選挙に対する人気取りでもあります。
アメリカの3大自動車メーカーの首脳も随行しています。アメリカに台頭する保護貿易主義を抑えるため日本の首脳は、結局アメリカの要求(自動車、景気拡大、コメ)を何らかの形で呑むものと思われますが、こんなやりかたでアメリカの景気が好転したり、雇用が拡大するはずがないとはNYタイムスが指摘する通りです。
それは、アメリカの製造業の体質と消費者の過大な消費行動に真の問題があるからです。ソ連の消滅したいま、日本が攻撃の対象にならないため理屈を超えた対応が求められています。
1月14日
スナックのママの連続殺人犯人が逮捕されました。そこで本日は、物騒な人殺しの話題で迫ってみたいと思います。
警察庁によりますと、日本で一昨年一年間に殺害された人は、676人だそうであります。一方昨1991年中に米国内で殺害された人は史上最高の2万4千40人に上ると、アメリカ上院の司法委員会が最近公表しました。
米国の人口はわが国の約2倍でありますのでその割合で比較しますと、アメリカで殺人事件の被害者になる危険性は、日本の20倍になります。アメリカでは重火器が容易に入手できることや麻薬中毒者が多いことが原因とされています。
一般家庭でも自衛のためにライフルや拳銃を持っています。もちろん、武器の一般所有を禁止したり制限したりする法案が何回も提案されていますが圧力団体の反対で実現していません。
秀吉の刀狩や明治の廃刀令を持つ日本の歴史はもっと誇りにしてよいと思います。
1月21日
今年、6月にはブラジルのリオデジャネイロで、国連の環境開発会議が開かれます。別名「地球サミット」と呼ばれる会議であります。
ここでは、各国の首脳が集まり、地球という惑星の環境保全と言う観点から、21世紀に向けての共通のプログラムを採択することになっているそうであります。
しかし、ここでもGATTの交渉と同様に、南北の利害の対立が目立っています。地球環境で大きな問題の一つは炭酸ガスの排出であります。炭酸ガスが大気中に増えますと、地球が温暖化し、南極やグリーンランドの氷が融けて、海面が上昇すると言われています。そうなると世界の大都市のかなりの部分が水没します。先進国は熱帯雨林を伐採するなといいますし、南の発展途上国は、先進国こそ炭酸ガスの排出を削減せよといっています。
日本はその点、かなり優等生であり、アメリカの対応が注目されますが期待はできません。
1月28日(欠席)
1992年2月
2月4日
先日は、荒金副会長にピンチヒッターをお願い致しました。環境問題について東京で開かれたシンポジウムにパネリストとして参加したためです。
一口に環境問題といいますが地球の温暖化、オゾン層の破壊、大気汚染、酸性雨、水質汚染、森林破壊、生物多様性の破壊、エネルギー浪費と、いろいろあります。私はゴミの増加とその処理の問題にしぼって話をしました。
昨年11月の鶴見緑地付近の清掃奉仕、ノースカロライナでの清掃奉仕体験、オーストラリアの少年、サイモン・グルーア君とのふれあいなど、ロータリーを通じて得た考えを述べて来ました。
単に経済性だけを行動原理にしていては、環境問題に対処は困難です。”正しい行動”(right thing to do)という考えが必要です。
ブッシュ大統領も一般教書の発表で、核兵器の軍縮を提案しこの言葉を使っていたのをテレビで見ました。21世紀に向けて、大切にしたいキーワードです。
2月18日
ノースカロライナGSEチームの来阪が迫ってきました。当クラブから大内地区委員、川第4ブロック副実行委員長、早川実行委員がいろいろの案内計画のとりまとあにご努力を頂いています。
いま、アメリカでは、この国の労働力の質に関して(と称される)宮沢首相の発言をめぐって険悪な空気を醸そうという一派があります。
ソ連の脅威が消滅したいま、敵視するべきは日本というわけでしょう。
自動車を壊したり、販売店に銃弾を打ち込んだりという物騒なニュースも聞こえています。アメリカ経済の欠陥を指摘するのはやさしい。しかし、それだけで良いでしょうか。GSEチームの案内も、自慢でなく、相互理解を深めるという観点が大切だとおもいます。
先日、日米協会の新年パーティで、会長の稲畑さんが「日米間がギクシャクしているいま、民間外交の真価が問われる」とおっしゃっていました。
2月25日
今日は、赤字の話をいたします。
先日の新聞を見て驚いたのは、92年3月期ソニーの単独営業利益が赤字に転落する、というニュースであります。
連結は黒字だが大幅減収です。ハイテク産業に不況の影が重くのしかかっていることの象徴的なできごとといえます。
過日、製造物責任(PL)の話をしたことがあります。アメリカで訴訟に巻き込まれている昭和電工は、この関係の損失を199億円も計上、無配に転落しました。
必須アミノ酸の一種、L-トリプトファンを使った健康食品が標的にされたわけですが、健康障害との因果関係は、まだ医学的に実証されていないとされています。
最後は、旧西ドイツの経常収支であります。東ドイツの統一に伴う需要の増加のため、貿易黒字が85%も減少、経常収支が赤になりました。対日赤字は232億マルクにのぼり、アメリカからと同様ドイツからも何か言われそうであります。
1992年3月
3月3日
今日は株式の話しをいたします。ご承知のようにわが国株式の時価べ一スでの配当利回りは、0.67%と1%を割っています。NY市場はいまダウが市場最高値ですが、それでも2.9%の利回りを維持しています。
野村総研の調査では、企業の売上営業利益率を日米で較べると、80~88年度でアメリカ13.5%に対し日本3.2%に過ぎず、配当性向も欧米の2分の1です。
つまり、日本の企業は、株主を軽視し、配当を充分にせず、経費を多く使って安売りをしているわけです。年間の配当金が4兆2000億円、交際費が5兆6000億円。あまりにも株主を踏みっけにしたやりかたの報いが、現在の株式市場の低迷になっているという人もあります。
この2年間、信用取引で挑戦し続けた個人客は、元本の1割も残っていれば良いほうだそうでありまして、法人も個人も大きく傷っいている現状では、なかなか、株価の回復は難しいことになります。
3月10日
いまアメリカでは大統領選挙の候補者を絞り込むための予備選挙がたけなわであります。
今日はスーパーチューズデー、11州で予備選挙があり、ブッシュ再選、あるいは民主党候補には誰がなるか目処がつくそうです。
朝の衛星放送で、CNNニュースをみておりますと、泡沫候補と思いますが、こんなことを言っていました。「日本の首相は、アメリカの労働者は怠け者(レイジー)で文盲だと言っている。」
これは、桜内衆議院議長の発言を宮沢首相の発言と混同しています。桜内議長も「アメリカの労働力の質が劣る。文盲率も30%だ」とは言ったようですが「怠け者」「大半が文盲」の言葉は共同通信のアメリカ人アンカーがそのようにねじ曲げたらしい。
宮沢さんも「アメリカの労働者」に労働倫理が欠けるとは言っていません。いったん誤報があると、それが一人歩きして悪感情をつのらせたり、悪用されたりする典型と言えます。
3月17日
先週は、日米のマスコミ報道に関連し、ロータリーの4つのテストのうち「真実かどうか」のお話をしました。
今週は「思いやり」(好意)と暖かい心(友情)、グッドウィルとベターフレンドシップについて述べます。
アメリカの大統領選挙は、ブッシュとクリントンに候補が絞られそうな気配ですが、両候補とも競争相手の脱落とともに、雇用回復を最大の課題とする気配です。中間白人層にまで広がる失業問題、荒廃する教育、製造業の競争力等、難問山積で良い手だては見あたりません。
そして、かつて人種の増塙と言われたアメリカは、もはやいろんな人種が混じらず、モザイク社会化し、犯罪の原因をつくりつつありますが、彼らは心の中でそう思っていても、公式には認めたがらないようです。
今週末に来阪するGSEチームに、当地区のみなさんが「暖かい心」で接し、好奇心丸だしの無神経な質問は避けて下さることを希望します。
3月24日
このところ暗い話題ばかり提供しておりますので、本日は「1個2万円の高級化粧品が3カ月で20万個売れた」話を致します。
問題の化粧品は、カネボウが昨年10月中旬に発売した薬用美容液で「AGTコンセントレート」と称するものであります。3カ月で20万個40億円、単純計算で160億円の年商になります。化粧品は1シーズン10億円売れればヒットだそうですからAGTがどれだけ驚異的な大型商品かが分かります。
この商品のターゲットは40才を中心に、肌の衰えが気になる、リッチな人で、この層にDMでサンプルを107万本配布。そのうち売上に結びついたのが25万本だそうであります。テレビ宣伝は一切していない点もユニークであります。
また皮膚を柔軟にし、シワの改善に役立つ主成分は15年かけて開発したものだそうで、他社が急に対抗商品を出そうとしてもムリとのことです。
3月31日
厚生省が調整死亡率というものを発表しています。各都道府県の人口の年齢構成が同じと仮定して計算した死亡率だそうであります。
それによりますと、大阪の死亡率は、男性が全国で2位、女性は1位と順位が高いようです。死亡原因別では、ガン全体で男女とも大阪が1位、肺ガンが男女とも沖縄に次いで大阪は2位であります。
空気のキレイな沖縄が1位というのは、喫煙が多いせいでしょうか。大阪の2位は空気の汚れを示すようで、いささか不気味であります。肺ガンによる死亡率は、男性が女性の4倍で、あきらかにこれはタバコの影響ではないか、と思います。
この他の病気では、大阪の女性は心臓病全国1位。そう言えば私の母親もブクブクに肥えて、30数年前、心臓病で亡くなりました。私も、いつの間にか、母親が死亡した年齢に近づきましたので要注意でありますが、いまのところ心電図、レントゲン写真とも異常はありません。
1992年4月
4月7日
子供たちと自然の触れ合いが乏しくなっているという調査結果が発表されています。
この1年間に「日の出、日の入りを見たことがないない」と回答した児童・生徒は40.7%。昭和59年の前回調査にくらべ21%増加しています。
生活面でも、「朝、自分で起きるか」との問いに半数近くが「ノー」と答えています。切れた電球を過去一度も取り替えたことのない子供も4割近くいます。
親が家庭内のことはなんでもやってしまっているさまが、調査からうかがえます。
この次、私たちの親クラブである城東さんがライラのご担当だそうでありますが、ライラは青少年が大自然にふれることのできる素晴らしい機会であります。
子供たちに「この満天の星を見せてやりたい」と、他地区のロータリアンですが頑張っておられる幼稚園の経営者にお目にかかったことがあります。この精神で、ぜひ一人でも多くの方がライラに協力されることを希望いたします。
4月14日(欠席)
4月21日
ノースカロライナのGSEチームも5週間の研修を終え、いよいよこの23日に帰国します。
大阪で得た体験は、ロータリーならではのもので、日米の相互理解を草の根で深めることと思います。お世話を下さったみなさま、本当に有り難うございました。
特に、当クラブで企画担当しました鶴見緑地での記念植樹は、彼らの思い出にいつまでも残ることと思います。
さて日米関係について注目すべき本が読売新聞社から出版されております。「日米新時代への決断」という本で著者はNY大学教授佐藤隆三氏であります。
氏は30年前に渡米された知米派で、アメリカの苛立ちを、上院議員の発言を引用して説明しています。「我々は冷戦に勝ち、湾岸戦争にも勝った。次は貿易戦争に勝たねばならない」
このような新しい現実の中で、日本は、日本人は、どう行動するべきか、GSEチームの受入れも、今後その流れで考える必要がありそうです。
4月28日
百貨店の売上が、このところ前年同月を数%下回るようで、景気の悪さを示しています。
その中で、商品力のある製品は売上を伸ばしていることが新聞で報道されています。「食べてもきれい。キスでもきれい」こんなキャッチフレーズで、キスしても落ちにくい口紅がカネボウから発売され大ヒットしているのだそうであります。
化粧直しの手間が省け、働く女性のニーズに答えたためと言われています。新車の売れ行きも不振ですが、テレビ、ビデオなどのAV製品も普及が一巡したためか売れ行きが悪く、不況感を広めています。
バルセロナオリンピックを見込んで、各社から100万円台の簡易ハイビジョンが登場しますが、キスしても落ちない口紅ほど、消費者のニーズに訴えることが出来るかが普及のカギになりそうです。
横長画面のハイビジョンテレビを普及させるのは、価格もさることながらワイド映画ソフトだと思うのですが。
1992年5月
5月12日
ロスアンゼルスの暴動で、いまさらながらアメリカの人種問題の根の深さに驚いたかたも多かったのではないでしょうか。
直接の引き金は、スピード違反で捕まった黒人青年を手ひどく殴り付けた白人の警官の裁判が、陪審の評決で無罪になったことであります。
警官による殴打のシーンは、目撃者がたまたまビデオにおさめていまして、その映像は何回も何回も放映され、暴力警官は必ず有罪になると信じていたのに、この評決ですから、一気に反感が盛りあがりました。
ところで、ご承知のように焼き討ちの対象になったのは韓国系の人が経営する商店で、あとから来た人間が経済的に成功するのが妬まれていたものと思われます。
唯一の救いは、騒動が収まりかけると、街頭にボランティアが、人種を問わず繰り出して、清掃を始めたことです。問題点は多いが民衆の中に善意が脈打つ社会だと思いました。
5月19日
本日は、新旧合同のクラブアセンブリーが開かれます。よろしく本年の反省と来年度の活動方針の審議をお願い致します。
ロータリーの活動の4つの奉仕があることはご承知のとおりですが、その中で分かりにくいとされながら、最も重要なのは職業奉仕ではないか、と思います。
異業種の集いであるロータリーは、各人が自からの職業(ヴォケイション)に誇りを持ち、その天職を各種の奉仕に生かすのが、職業奉仕であると私は信じています。
今回ノースカロライナのGSEチームの日程の中に、職業研修日があり、当クラブでは、ディーンというタイヤ販売業者の後継者のお世話を致しました。彼の会社は中古タイヤの再生もしているのですが、当クラブの梶会員は、自動車業界のコネをたどって関西唯一のタイヤ再生業者を発見、見学のアレンジをして下さいました。
GSEは国際奉仕でありますが、立派な職業奉仕をされた例として、ご紹介致します。
5月26日
本日は、常識のウソについてお話しします。
日経新聞のコラムで、三好春樹というリハビリ研究家が、老人向きのお風呂について書いておられるのを読みました。
この方は「障害を持つ老人には、普通の家庭の風呂が一番適している」と主張されています。
老人の入りやすい浴槽とは、幅は狭く、あまり長くなく、湯船の背中の部分が斜めになっていない、つまり姿勢が安定するもので、洗い場から湯船までの高さは40センチ。ここに同じ高さの腰掛け台を付け、これに座って出入りをします。
「寝たきり」でも95%の人は座れるので、これなら入浴できるのだそうであります。
施設の風呂や老人向けに改装した「段差のない風呂」、「浅くて広い風呂」は、かえって入浴し難い。寝たきり老人への入浴サービスではヘルパーは、浅くて寝たまま入れる浴槽を家庭に持ち込みますが、不自然で厄介な入浴法とのこと。意外な気がしますが、事実のようです。
1992年6月
6月2日
明日、6月3日からブラジルで、国連環境開発会議(地球サミット)が開催されることはご承知の通りです。テレビ、新聞等のマスコミも、今週は、環境一色になりそうであります。
NHKは月曜日の朝の「暮らしのジャーナル」を皮切りに、一週間ぶっとうしで特集番組を放送します。環境問題に関心を持つ方には、良い勉強の機会だと思います。
その中でドイツのフライブルグという町のゴミ処理への取り組みを報道した番組がありました。
市民は、リサイクル出来るゴミ、埋めるゴミ(この町はゴミ焼却を禁止)を町が貸し出した専用のゴミ箱に分別、回収を容易にしています。
スーパーには買い物袋を持参し、食べ物は計り売り、ゴミの量を少なくしています。
粗大ゴミの3分の1程度は別の市民が再利用。古着専用の回収所も町に数十カ所あります。ゴミ問題教育にも熱心。行政と市民の協力の絶妙さに、感銘を受けました。
6月9日
バブルの破裂で不動産が値下がりしておりますが、年収との対比で言いますとまだまだ一般中堅勤労者層の手にマイホームは届きにくいようです。
三井不動産の田中社長のこの点に関するご意見が面白いのでご紹介します。
現在、首都圏には住宅のできる空閑地が29万ヘクタールあり、遠いところや不便なところを除くと8万ヘクタール。現状の建築規制のなかでは、市街化区域のなかで1万戸たらず、市街化調整区域を合わせても全部で17万5千戸しか家は建ちません。
土地の容積率などの規制を緩和し、計画的な大規模開発をすれば、90平方米のマンションが500万戸建てられる。では、なぜそうならないのか。
都市計画をそれぞれの自治体が別々に考えていて、首都圏全体のマスタープランがないからだそうであります。
明治時代に決めた行政区画にしばられ、国民の生活が犠牲になっているわけです。道州制など広域行政への転換が望まれます。
6月16日
食べ物をよく噛めない子供が増えているのだそうであります。
幼稚園の生徒の約4分の1は、食べ物を噛むアゴの筋肉が弱く、またアゴ自体も発達していないので、よく噛まずに丸呑みに近い状態だと、先生方がおっしゃっています。
このまま、大きくなりますとアゴの形がかわり、歯並びも悪くなって、柔らかい食べ物しか食べられなくなってしまうそうであります。
母乳で育った子供は、ほとんどがアゴが丈夫でよく噛んでいるのに対し、哺乳瓶の人口乳で育った子の70%はよく噛めない。母乳は乳房を噛まないと出ないのに、哺乳瓶は吸うだけでよいから、噛む力が発達しないのです。
そこで、噛まないとミルクのでない吸い口が登場しています。
しかし離乳食で固い物を早くから与えすぎるのは、逆効果になります。歯茎やアゴ、歯の発達段階に応じて順次、食べ物を固くし、赤ちゃんが食べ物を噛んで食べるようにしつけることが大切のようです。
6月23日
当クラブの親睦ゴルフ「かいつぶり会」の開かれた沖縄は、県民所得がもっとも低いのにも拘らず、平均寿命は日本第1位。最長寿県であります。
戦前から沖縄は、豚肉の消費が最も多い県で、しかも、じっくりと煮込んで脂肪を除く調理法に特徴があり、昆布の使用量も多いようであります。
また塩分の1日の摂取量が10グラムを割っているのは沖縄だけです。
沖縄に限らず、全国の100才以上の老人の食生活を調べてみると、動物性、植物性を問わずタンパク質と緑黄野菜の摂取頻度の高いことが判明しています。
若い人の食事に上手に順応し、肉や魚、牛乳などになじんでいるようです。
沖縄料理は中国料理と日本料理の中間的存在で栄養のバランスが良い、また、沖縄では自分で食べるものは畑でつくり、老人も労働に従事しています。
適切な栄養と運動が、沖縄の長寿の一因となっているようで、いま、注目を集めています。
6月30日
1年間、続けて参りました会長インフォメーションも、いよいよ今日が最後になりました。
その時々に感じるままに取り上げました話題を振り返ってみますと、環境問題、日米関係、経済問題、健康などのテーマが多かったように思います。お気付きの方もいらっしゃると思いますが、このインフォメーションには、できるだけ数字を盛り込むことにしてきました。
具体的な事実に基づいたお話がしたかったからです。
さて、最後のお話は「心」についてであります。
先週6月24日の朝日新聞に、10才の小学生の投書が掲載されていました。「ゴミをひろおう」という意見です。
ゴミを捨ててはいけない、ポイ捨てはいけない、そんな注意はもっともですが、もっと積極的にゴミを拾っていこう、と提案しています。
環境問題に対して、自分ができることを探る「心構え」を教えられた気がいたします。
(終わり)