すきな歌・作曲家・演奏者

ジャズ、ポップス、ミュージカルから演歌まで

ほとんど、どのジャンルの音楽も好きですが、苦手なのはTVでよく見かけるダンスの振りが激しいグループです。テロップがないと歌詞は何言ってるのかわからない。総立ちの観衆が一斉に手を振るコンサートなども年令のせいでしょう敬遠します。

歌謡曲では菅原洋一さんの歌い方が大好きです。しっとりしながら明晰な発声、年令を全く感じさせない歌唱。ピアノ伴奏のライブで感激し、CD『ピアノと唄う愛の詩』を購入しました。声の衰えが目立つ昔の人気歌手の中で、布施明さんは例外です。その朗々とした歌唱は若い頃のボイストレーニングの成果でしょう。

数十年前に見た映画『真夜中のジャズ』でゴスペル歌手のマヘリア・ジャクソンに感動しました。雨上がりに歌う「主の祈り」。私もアメリカ南部の教会で歌いました。BBキング、ビル・ウイザースなど、リズム&ブルースのほか、ナット・キング・コール、コーラス・グループのプラターズなども贔屓です。そうそう、ジョン・デンバー、サイモンとガーファンクル、そしてもちろんビートルズ。ほか数えきれません。

フランク・シナトラも偉大です。時に音程が不安定ですが、それを問題にしない歌唱力。歌詞を噛みしめた歌い方に痺れます。「マイ・ウエイ」は私の持ち歌、「夜のストレンジャー」「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」など数え切れないほど、魅力ある歌揃い。

美空ひばりさんも、クラシック歌手が歌える曲が多い。「津軽のふるさと」「川の流れのように」「愛燦燦」など。「みだれ髪」もカラオケのレパートリーです。彼女が歌った小椋佳さん作詞・作曲「旅ひととせ」のアルバムは愛聴しています。

日本の作曲家では最近ブームの古関裕而、「長崎の鐘」は愛唱曲。古賀政男「影をしたいて」などが十八番ですが、船村徹「柿の木坂の家」など声域が広く独特の節回しが気に入っています。ちあきなおみさんが歌う「赤とんぼ」、いつ聴いても泣けますが歌えません。

特にヒットしているわけでありませんが、こんな歌が身にしみます。小田純平さんの「男の景色」ちょっと聴いてみませんか。

YouTubeから「男の景色」作詞:志賀大介、作曲と歌:小田純平

いずみたくさん、「ふれあい」「夜明けの歌」「見上げてごらん夜の星を」数え切れないほどのヒットメーカーですが、「手のひらを太陽に」は、命の大切さを歌うテーマソングでしょう。

ミュージカルでは「南太平洋」。「皇太子の初恋」、「オクラホマ」など多数。バーンスタイン「ウエストサイド・ストーリ-」は「マリア」「トゥナイト」など好きな歌が多いのですが、親友の小林和生さんの歌唱には脱帽です。

そしてクラシック

原点はバッハです。最初に買ったステレオLPが、カール・ミュンヒンガー指揮の「音楽の捧げもの」でした。ヘルムート・ヴァルハのオルガンで「トッカータとフーガニ短調」、パワー・ビッグスのオルガンで「パッサカリア」はシュヴァイツアーが「この曲を聴いたことがない人は幸せだ。なぜなら大きな楽しみが残されているから」と言ったそうです。「マタイ受難曲」の終曲は美しすぎる。そして「シャコンヌ」、「無伴奏チェロソナタ第5番」は名演奏が多い。カザルスもいいがシュタルケルの音も捨てがたい。「ゴールドベルク変奏曲」グレン・グールドの名盤がありますが最近、ランランのCDを聴き、その演奏にしびれました。

そしてもちろんモーツアルト。弦楽四重奏の「ハイドンセット」は特に「不協和音」が素晴らしい。弦楽五重奏ト短調も折りに触れ愛聴しています。「レクイエム」のラクリモーサ(涙の日)は大阪電通の日航事故死者慰霊式が北御堂であり、式の最初から最後まで流されていました。中学、高校と同窓の山本謙二君もこの事故で亡くなり、好みと言うより追悼します。交響曲では40番、41番「ジュピター」、25番をよく聴きます。オペラでは「魔笛」。ソプラノの「夜の女王のアリア」、テノールの「美しき君の絵姿」。合唱では「アヴェ・ヴェルム・コルプス」、どんな下手な合唱団が歌っても美しい。ピアノ協奏曲は短調が好き、20番には心が揺さぶられます。

ブラームスの交響曲。結婚してまもなく月給2万円時代にボーナスで全集を買いました。指揮はブルーノ・ワルターで当時トスカニーニと人気を二分していました。ワルターが引退するとNYの人達はブラームスらしいブラームスが聴けなくなると嘆いたそうです。ブラームスを演奏するにはメトロノーム的でないリズムの揺らぎが必要。名ある指揮者でも結構つまらない演奏が多いがカルロ・マリア・ジュリーニがすごい、ザンデリング、小澤などの指揮も好きです。あと、ピアノ協奏曲の1番、2番。弦楽六重奏2番も好んで聴いています。

ベートーヴェン。ピアノソナタ「月光」「悲愴」「熱情」、ヴァイオリン協奏曲、ソナタ「スプリング」はよく聴きます。ピアノ協奏曲は4番。交響曲はどれも素晴らしいが3番「英雄」、5番「運命」、6番「田園」、7番。9番「合唱」は北野高校創立120周年記念にフェスティバル・ホールで歌いました。出演者はソロを除いて指揮・オケ・合唱とも同窓生、私はテノールでしたが高音の連続に、こりゃ大変とそれ以来聴く一方です。演奏ならフルトベングラーですかね。

マーラー。映画「ベニスに死す」のテーマに使われた交響曲第5番のアダージョ。9番のアダージョ(白鳥の歌)はアメリカパサデナでカラヤンとベルリンフィルの演奏を聴きました。カラヤンは死期直前、鬼気迫る名演でした。歌曲「さすらう若人の歌」は何時か全曲を歌ってみたいと思っています。

チャイコフスキーの交響曲、4番、5番そして6番「悲愴」。センチなせいか、どの曲も好きです。バレー音楽「白鳥の湖」は美しく、「くるみ割り人形」は楽しい。もちろんヴァイオリン協奏曲はクラシックファンの定番ですね。そしておなじみ、弦楽セレナーデ。

シューマン、有名なトロイメライを含む「子供の情景」。歌曲集「詩人の恋」はフィッシャー・ディースカウ初来日のコンサート(伴奏イエルク・デームス)を京都文化会館の最前列で聴きました。分厚い胸から出る柔らかい声にびっくり、中之島公会堂小ホールで私も後に田中清三郎さんとのデュオ・コンサートで歌いました。

シューベルト、「冬の旅」いいですね。「美しき水車小屋の娘」ヴンダーリッヒを上回る声にはまだお耳にかかりません。「未完成交響曲」冒頭の低音メロディを聴くとゾクッとします。

ベルリオーズ「幻想」は交響曲にめずらしい5楽章構成、断頭台への行進など恐怖感あり。これはミンシュか小澤ですね。

オーケストラではユージン・オーマンディ指揮、フィラデルフィア交響楽団が生演奏聴いた限り最高です。とにかく音がデラックス。大音楽表現も美事。「白痴的」と評する批評家もいたが、何聴いていたのか知らん。カラヤンとベルリンフィル、ムラヴィンスキーのレニングラードフィルも凄かった。CDでは小澤征爾のサイトウ・キネン・オーケストラ。結成当時の録音がいい。

バロックを忘れていました。ヴィバルディ「四季」はステレオLP初期の大ベストセラー。彼は一つの音楽を何百通りに作ったという評もありますが、楽しいものは楽しい。イ・ムジチやカール・ミュンヒンガー、ネヴィル・マリナーの演奏でよく聴きました。あとマルチェルロ、リステンパルトなど。

ヴィラ・ロボス「ブラジル風バッハ」の5番やギター小品の前奏曲が好み。スペイン音楽はギターも良いがアリシア・デ・ラローチャのピアノ版が捨てがたい。ファリャ「七つのスペイン民謡」はカフェ・マリアンでのコンサート「スペイン幻想」で歌いました。フラメンコ、踊りも本場セビリアで観ていますが甥の松岡慶次はギターの名手です。

オペラはビゼー「カルメン」、プッチーニ、ヴェルディも好きですがワグナーは苦手。歌手ではカスタ・ディーバの歌唱は良いがカラスよりはテバルディの美声が好み。テナーは「オテロ」のデル・モナコ、フェスティバル・ホールで聴きました。いまはカウフマンに期待。 

いやあ、作曲家はヘンデルとハイドン始め、ストラヴィンスキー、ラヴェル、ドビュッシー、メンデルスゾーン、リスト、ラフマニノフ、エリック・サティ、シベリウス、ヨハン&リヒアルト・シュトラウス、バーバー、エルガー、レスピーギなど、もうキリがない。紹介は別の機会に譲って今日はこの辺で一休みにします。