美術史トピックス

ここにも見つけたファロスの表象

representation of phallic image

芸術家は意識してか、無意識にか、作品に性的含意を与えることがあります。その数例をご紹介しましょう。

ドガ

≪踊子≫などの作品で有名なドガは、馬や風景など、別のジャンルに多くの作品を残しています。≪スパルタの若者たち≫という歴史画は、ドガ自身が≪少年たちを挑発するスパルタ人の娘たち≫と題ををつけ、手元において終生加筆を続けた作品で、身体鍛錬については男女平等だったスパルタの習慣にヒントを得ています。

ドガ≪スパルタ人の若者たち≫1860~62年、油彩カンヴァス、ロンドンナショナル・ギャラリー

                             

男女間の肉体に違いを際出させない表現はミソジニー(女嫌い)を噂されるドガのセクシュアリティに触れるものかも知れません。次に掲げる風景画は明らかに彼のコンプレックスを表現しています。

ドガ≪風景≫パステル、1890-2,ヒューストン美術館

ムンク

≪叫び≫で超有名なムンクは1880年代半ば人妻と恋に落ち≪生命のダンス≫という大作を描きました。

ムンク≪生命のダンス≫1925-29年、油彩間ヴァス、オスロ市立ムンク美術館

この絵の画面上部には水面に反射する月影が描かれています。これは二人の性愛を男根シンボル化して描いたもので、下に掲げた作品にも共通しています。

ムンク≪声/夏の夜≫1893年油彩カンヴァス、オスロ市立ムンク美術館

ブランクーシとマン・レイ

ブランクーシは「ルーマニア出身の20世紀を代表する独創的な彫刻家である。20世紀の抽象彫刻に決定的な影響を与え、ミニマル・アートの先駆的作品も残した。」とウイキペディアで紹介されています。パリ、ポンピドーセンター前の広場の特別館で作品が展示されるほど超有名な彫刻家で一時ロダンの弟子でしたが、そのままでは自分がダメになると考え独立しました。数ある作品の中で一風変わっているのが≪プリンセスX≫と題する小品で、これを見たピカソが男性自身じゃないかと口走ったそうです。

ブランクーシ≪プリンセスX≫1916or17年、ブロンズ、パリ国立近代美術館

マン・レイはアメリカの画家、彫刻家、写真家。ダダイストまたはシュルレアリストとして20世紀前半に活躍しました。≪アングルのヴァイオリン>は1924年に制作されたマン・レイの代表作です。

マン・レイ≪アングルのヴァイオリン≫1924年

マン・レイはパリのシュルレアリストのグループと親交があり、のちにダリをアメリカに紹介したタイム誌の表紙写真も撮影しています。彼は1920年に≪プリアポス≫と題する大理石作品を制作しています。

マン・レイ≪プリアポス≫1920年、大理石

ダリは1930年に≪赤い塔≫と題する作品を描いていますが、マン・レイの影響があったのかも知れなせん。

ダリ≪赤い塔≫1930年、紙に。パステル、シカゴ・インスティテュート・オブ・アート