美術史トピックス

トップに続く西洋美術のページでは有名「芸術家」の一面を「子供の目」でみた私の見解で披露しました。このページでは一転して、有名美術作品に関して得たトピックを、先行研究のあるなしにかかわらず紹介したいと思います。

マリア受胎の光線は曲がっていた?

錯覚を誘う透視画法

Perspective Error in the light-line

西洋美術で数ある受胎告知画で有名なもののひとつは15世紀末に描かれたカルロ・クリヴェッリの『聖エミディウスを伴う受胎告知』です。建物のひさしのかなたの飛行物体からマリアに注がれる光線は一直線。しかし、どこか不自然ですね。

この絵の建物は透視画法(一点を視点として遠近法により、目に見えるのと似た状態にかく画法)で描かれています。しかし、マリアに注がれる光線は一見は一直線ですが、飛行物体が左方はるか上方画面外に位置しないと、軒の小穴からマリアに当たりません。パースペクティブとしては可笑しいのですが神の意志を表現するための工夫と言えるでしょう。

カルロ・クリヴェッリ『聖エミディウスを伴う受胎告知』1494年ごろロンドンナショナル・ギャラリー蔵